ゲストは「たかはさん」こと田川構内自動車の嘉久さん。
たかはさんはkintoneをテスト中の状況です。 検討に至った経緯や改善したい業務、他に検討した製品との比較まで幅広くお話を伺いました!
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オープニング
(00:00〜)
松井:kintone大好き松井です。今日のキンスキラジオでは、kintoneのユーザー様にゲストにお越しいただきました。田川構内自動車の嘉久様にお越しいただきました。よろしくお願いいたします。
嘉久:お願いします。
松井:嘉久さんはTwitterではたかはさんというアカウントで、以前からkintoneのことも呟いてくださっていましった。kintoneを好きそうだなと思い、こうして直接お伺いして、ラジオを録らせていただいています。
まさにkintoneをテスト中の段階とお聞きしました。今までの経緯から今の状態、今後こうしたいなど、リアルなところをお聞きできればと思います。
御社のことをご存じない方もいらっしゃると思いますので、簡単に事業の紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
嘉久:弊社は田川構内自動車グループの中で、タクシー事業それから貨物・トラックのほうと、福岡県田川市でコミュニティバスという町バスの運営を行っている会社です。
創業はもう八十数年になりますが、1950年にタクシーの田川構内自動車という会社を設立した会社になります。
松井:嘉久さんはどれぐらいお勤めされていらっしゃるのですか。
嘉久:11年目になります。
松井:11年前に転職をされてきた。システム担当のようなお立場ですか?
嘉久:というわけではないのですが、自然とこうなっていったという形ですね。
松井:先ほどお聞きしていたら、今はkintoneの検討ですが、メールやチャット、Googleなど、いろいろなシステム導入を担当してきたということで。前職でそういったシステム担当だったわけでもなく?
嘉久:私は高校を卒業してから、専門学校で福岡の麻生電子ビジネス(現・麻生情報ビジネス)に行きまして。
在籍中に祖父が亡くなり、今はうちの母が社長ですが、戻ってこいという話がありました。それからいろいろと紆余曲折があって、平成20年に帰ってきたという感じですね。
kintone検討のきっかけ
(02:47〜)
松井:担当ではなかったのですが、システムのほうに社内としては明るかった。いろいろとやってきて、次にkintoneを検討いただいているところですが。
どういった経緯からkintoneを検討いただきましたか?
嘉久:kintoneそのものは、4~5年前から名前は知っていました。当時いろいろなデータベースを検討しているときに、よく出てきましたね。
具体的には昨年の7月、ちょうど1年前ぐらいにサイボウズ 福岡オフィスのほうで導入相談Caféに申し込みました。ちょうど大雨や台風で日が延びてしまい、福岡オフィスの福井さんに直接来ていただいて、お話をしたのがきっかけですね。
そのときにイベントのご案内をいただいて、参加したのが大きなきっかけではあります。
松井:Cybozu Days 福岡ですね。導入相談Caféがあり、イベントに参加して、いよいよ試してみようかな、というところだったんですかね。
そもそもkintoneというデータベースの検討は、どういった課題感・お悩みがあったのですか。
嘉久:1つはデータそのものが1人1人のエクセルや紙台帳ということで、目に見えないところに持ってしまっているというところです。
それと、単純にクラウドの中で価格的にも、月いくらというのがわかりやすい。
それから開発の速さですね。思い立ったらすぐにアプリはできる、というところの手軽さはいいなと思いました。
Googleスプレッドシート/File Makerとの差
(05:03〜)
松井:御社ですとGoogleも使われていて、スプレッドシートでデータ共有するのも方法の1つだと思います。それでもkintoneのほうがいいな、と思われたのはどういう違いがあったのですか。
嘉久:Google スプレッドシートの場合は、あくまで表を作るためのものです。
タクシー事業は1日の数字の量がかなりありますので、例えばシートを分けて1日2日3日みたいにやっていると、なかなかボリュームがありすぎてしまう。検索や集計も難しくなってくるということですね。
松井:表ではなくデータベースとして管理・集計ができるものを、探していたということですね。kintone以外に見たものはあったのですか。
嘉久:「FileMaker」を一度触ってみて、専門書を読んで勉強はしました。ですが、1つ1つの開発、フォーマットを作るまでにかなり時間がかかってしまいます。
また複雑な関数なので、開発途中で私がわからなくなることがありまして。1週間も間が空いてしまうと、いったいどういう処理をするつもりで自分が書いたのだろうか、というような。なかなかそういうので続かなくて。
kintoneの場合はできることが限られている分シンプルです。業務に実はそこまで必要ないという要素をそぎ落としたら、こういう形で十分ではないかということで。
松井:FileMakerのほうが、数字の計算や結合、あとは画面のデザインも凝ることができますが、そこを理解するのがまず大変でというところですね。
嘉久:また、私が業務全般を見ていく中で、自分が専任していくのは今後難しい。やはり社内で担当者を増やしていきたいということで。FileMakerもあるのでしょうが、kintoneは認定資格やコミュニティが非常に強いと感じたました。
松井:コミュニティと言うと、それは例えばどういったものですか。
嘉久:Twitterでのkintoneユーザーさんの繋がりや、各地で行われているイベントですね。一番はCybozu Daysに行って、サイボウズはおもしろい会社だな、と感じたというところですね。
FileMakerはあくまでアメリカの会社なので、ユーザーのフォーラムも結構英語の部分も多いです。ちょっと今のレベルでやっていくには、難しいと思ったということですね。
導入したい業務
(08:31〜)
松井:具体的にkintoneをどう活用されていこうと考えているかもお聞きしたいです。今はテストの最中ですが、どういった業務でのテストをされていますか。
嘉久:一番最初に手掛けようとしたのは、うちの会社内では日報集計と呼ぶ業務です。
タクシーは止まったときに運転手さんが紙に何か書くと思います。あれは何時何分にどこからどこまで乗せた・金額がいくらだった、を手で書いています。東京ではデジタルタコグラフと言う自動記録する機械が入っていますが、こちらはちょっと手書きでやっています。
それを日々事務員さんがパソコンに入力をしているという状態でした。身体障碍者の方は1割引きになる制度がありますが、それはまた別の集計表を取っています。1つの日報なのに、派生して書類がどんどん増えてしまう。
まずそこをやりたいと考えたのですが、これは会社全体で日々やっている業務なので、ちょっと変えただけでものすごく影響が大きくなるのですね。また私自身もその業務の専任ではないので、まず自分が納得をしないと他の人に教えて展開するのは難しいと感じていました。
そこで、まず自分にとって便利なアプリを作り、自分の活動を発信しようということで、日報や契約書関連や議事録の管理というものを作ってやっているところです。
松井:いずれは日報の数値集計のところをやりたいのですが、その前に自分の周辺業務からkintone化を進めているところですね。お一人だけではなく、何人か交えながらやっていらっしゃるんですよね。
嘉久:一応5人からということもありましたけれど、何人かメンバーを選んで。ほとんど営業所の事務員さんたちになります。
何度か打合せをして、kintoneはこういうものだよというところ、こういうふうにやっていきたいという話をしました。あとは少しずつできあがったものを共有していこうと思っています。
松井:5ユーザーのミニマムでご契約をいただき、試験を進めている状況かと思います。昨年の9月10月頃から試している状況ですが、徐々に他の人の理解や認知が広がったなど、変化はありますか。
嘉久:最初はどうしてもワーッとなり、年末年始がちょっと忙しくて、私のモチベーション次第でかなり浮き沈みがありました。
ですが、やはり1人でやっている感覚が良くないと思い、たまたまTwitterで「#kintoneユーザーとつながりたい」のタグを見つけまして。それで呟いたところ、こうしてご縁があったところです。
あれは非常に良かったと思っています。これから開発・導入する方がいらっしゃれば、自分の思い・やっていることは積極的に発信すると、kintoneユーザーさんはみなさん繋がりが非常にいいので。それが気持ち的にはかなり違いますね。
松井:実際にTwitterで発信した結果が、モチベーションにつながったということですか。
嘉久:そうですね。1人でやっていると「これでいっか」という感じになってしまいます。皆さんがこんなにやっているんだなとか、また同じような境遇の方や同業者の方が事例として出てくる。
ビジネス上仕方ないのですが、IT関係の事例集は東京のキラキラした会社の事例しか載っていないのですよね。運送業もまだまだ参入としては数が少ないと思うのですよね。ですからその先駆けになれればいいな、という思いがあります。
本運用で取り組みたい業務
(13:57〜)
松井:今後としては、本運用を始めるなど、どんなことを考えていますか。
嘉久:この夏を超えたら仕事が一段落します。秋頃にちょうど1年になりますので、少しずつ運用を始めていこうと思っています。
松井:まず始めようと思われているのはどういったところですか。
嘉久:営業の面では、やはり日報、あとは顧客管理ですね。それから、結構自治体とのタクシー・バスの契約が多いので、そういった関係をデータベースとして保存していくところ。
単純に経営者・社長に営業活動や、我々のこういう開発をしました・こういうものをやっていますという会議を、単純に知ってほしいということで、逆に発信していきたいですね。
松井:その中でkintoneの標準機能だけでなく、連携サービスや開発も使おうと思っている領域はありますか。
嘉久:社内で活用する分には、標準機能で十分かなと思っています。
ですが、どうしても提出する物・お客様に送る物に関しては、帳票という形になります。いずれ見積・請求になってきた場合は必要だと思います。あとはタブプラグインは、いいなと個人的に思っています。
松井:タブプラグインはかなりニーズがあると思います。
嘉久:一覧画面は横画面になりますが、フィールド数が多くなると表示しきれないのがどうしてもkintoneのあれなので。そこをいかに見やすく工夫するかですね。
松井:ぜひ本運用が始まったあとの反応も、暫くしたところでお聞きできればと思います。
陰ながら応援をしておりますので、何かあればTwitterに書いてください。私もそうですし、他の人もいいねや情報もお話できればと思いますので。そういった意味でも発信を、つらいときもしていただければと思います。
kintoneへの要望
(16:51〜)
最後にですが、kintoneへのご要望や機能のリクエストはありますか。
嘉久:ほとんどのことは、プラグインやカスタマイズでできると思います。ですが、ユーザーが5人からという制限は、例えば期間限定でもいいとは思うのですね。
お試し1ヶ月間がありますが、個人事業主の方や小さな営業所で2人でやっているところもあります。そういった方が導入するには、少し参入の障壁にはなるのかなと思います。
松井:その目線は自社の話ではなく、kintoneがもっと広まるならという。
嘉久:うちはタクシー会社ですが、社長が福岡県筑豊地区のタクシー協会長の立場です。また高齢の社長さんも多い中で、システムに関してはまったく導入が進んでいないというのが実情です。今後次の世代の方々に、こういったものを布教活動ではないですがお勧めをしたいということですね。
松井:5ユーザーというのが障壁になり得るところですね。ありがとうございます。
私としても個人で5ユーザーを買ったときに「7500円か...せめて2人にならないかな」と実際に思いました。社内にもフィードバックをさせていただきます。
嘉久:実際には、それにプラグインの月額・年額というのが乗ってくると思います。
松井:そうですね。また本運用のあとにもまたお伺いしてお話を聞ければと思いますので。
嘉久:またフィードバックがしてもらえるように頑張ります。
松井:ぜひ今後ともお願いいたします。
嘉久:ありがとうございます。
松井:ということで本日のゲストは田川構内自動車の嘉久様でした。ありがとうございました。
嘉久:ありがとうございました。