皆さんこんにちは、kintone大好き松井です。
今回のテーマは「kintoneの広め方」。管理者なら誰もが悩む、導入後にどう現場に使ってもらうかを考えます。
参考にするのは、とある介護施設での導入事例。現場が使い方に悩まない運用を、4つのポイントでご紹介します。
この活用は矢内石油の矢内さんが提案された実事例です。矢内さんはkintone AWARD 2018の優勝者。ぎゅっとノウハウが詰まった活用術を、とくとご覧くださいませ^^
どんなユーザーさん?
事例の舞台はとある介護施設のお客様です。入居者と職員の交わりを増やすために、報告業務の効率化を目指してkintoneを導入しました。
今まで紙ベースだった入居者の記録は、タッチ画面PCで操作するkintoneへ移行。krewSheetなどのプラグインも組合せ、見事効率化に成功しました。
背景やアプリ構成の詳細は、前編で紹介をしています。気になる方はこちらも併せてご覧ください。
この記事では運用面を紹介していきます。
kintoneの操作は難しい
介護業はITに不慣れな人が多い現場です。パソコン操作にもハードルがある現場では、kintoneはとても難しいシステムでしょう。
入力画面はもちろん、アプリを見つけることさえ難しいことがあります。 職員が使い方に悩まないよう、シンプルな運用を整えることが大事です。
4つの工夫で作るシンプルな運用
今回のミソは、職員が悩まないシンプルな運用を徹底追求したこと。職員が操作する回数をできる限り減らしました。
そのための工夫は大きく4つあります。順番に紹介していきましょう。
1.アプリを探す必要のない動線
職員がkintoneを使う上で、まず躓くのが「アプリ探し」です。この業務のアプリが見つからない。。これはアプリが増えるほど起きやすい課題です。
ならば、探す必要のない動線を作るのはいかがでしょうか。例えば、目的に沿ってアイコン押していけば、そのアプリに辿り着くような動線です。
今回の事例では、まず自分の設備を選び、次に業務を選ぶ動線を作りました。ポータルやスペースをうまく使い、階層的にアプリへの道が用意されています。
これなら、職員も迷わずにアプリに辿り着くことができますね。アイコンの配置は「ポータルの裏技」を使うと、さらに伝わりやすくなります^^
2.レコード詳細画面は使わない
データの編集は、ふつう詳細画面から行います。しかし、ITが苦手な人にとっては、詳細画面を開くことさえもハードルの1つです。
そこで、今回は詳細画面を使わない運用にしました。データの編集はすべて一覧で行います。
この運用は標準機能でも可能ですが、今回はkrewSheetを導入しています。編集ボタンを押す必要がなく、慣れたExcelの感覚で操作ができます。
必須ではありませんが、あれば更にシンプルな運用にできるでしょう。
3.業務ごとに、一覧と動線を分ける
単に一覧画面を使うだけでは、Excelのように横長の画面になります。それでは逆に現場の負担になってしまいます。
そこで、一覧をアプリで行う業務ごとに分けて作ります。一覧は表示フィールドを選べるので、画面を業務に必要なだけの長さにできます。
今回は1アプリで5つの業務が行われていました。そのため一覧は5つ用意していますが、職員に一覧の切替を求めるのは酷なことです。
そこで、入り口の動線から分けることにしました。
これならITに不慣れな方も、迷うことなく利用ができそうです。
面白いことに、職員は5つのアプリがあると思っています。入口のアイコン画像を変えているのもこの為で、敢えて裏側を意識させない為の工夫です。
アイコンはポータルの裏技で更に効果を発揮します。
4.新しく登録、をやめる
データは新規登録よりも、あるものを編集した方が楽です。例えば報告アプリだと、入居者全員をルックアップして新規登録させるのは難しいでしょう。
そこで今回は、職員に新規登録をさせません。担当者が1日1回ボタンを押すと、マスタから今日の入居者データが追加されます。職員はそのデータを編集するだけです。
この運用は「一覧レコード集計/コピープラグイン」で実現しています。詳細は前編をご覧下さい^^
「フィールド多すぎ問題」の解決
kintoneのアプリは、フィールドが増えるに連れて使いづらくなります。縦に長くなり、どの項目を書けば良いのか分からない。。
かといってアプリを分けると、その分ルックアップと関連レコードが増えていきます。何度もルックアップするのは面倒で、アプリ管理も煩雑になります。。kintoneあるあるです。
しかし今回の運用は、全ての問題を解決します。フィールド数の心配はありません。増えたら一覧も増やして、必要な項目だけを見せれば良いのです。
これはkintoneの大きな強みかもしれません。Excelはひたすら横に長くなりますが、kintoneは一覧で整理することができます。現場は迷わず使うことができ、管理もシンプルです、
これはkintoneの常識を壊す、新たな使い方になる予感、、!!
大切なのは業務の整理
現場にkintoneを広める4つのポイント、いかがだったでしょうか。
このお話の本質は、業務フローの整理だと思います。今のフローを振り返り、kintoneで形にしていきます。
その点kintone、実際に試しながら、関係者で確認ができるツールです。何度も試行錯誤ができ、業務の整理には打って付けのツールと言えます。
ぜひこのノウハウを参考に、現場にkintoneを広めていただければと思います。皆さんの業務を整理するお役に立てば嬉しいです^^
更に詳しい解説あります
このノウハウはどう生まれたのか!?矢内さんに直接お話いただきました。
このアイデアに至った経緯が理解できます。ぜひお聴きください!^^