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介護施設の日報を改善(前編)プラグインで実現する、二重入力を無くす報告システム

f:id:tme0503:20190115191913p:plain 皆さんこんにちは、kintone大好き松井です。

今回は介護施設の改善事例!二重作業に苦しむ日報業務を2つのプラグインで改善します。使うのは「krewSheet」と「一覧レコード集計/コピープラグイン」です。

この活用は矢内石油の矢内さんが提案された実事例です。矢内さんはkintone AWARD 2018の優勝者。ぎゅっとノウハウが詰まった活用術を、とくとご覧くださいませ^^

日報の二重入力に悩む

昨今の介護業界は触れ合い重視のサービスが求められています。一方、現場は事務作業に追われ、入居者との時間を確保しづらい環境です。

中でも手間になるのが入居者の状況報告。体温や血圧、排便、食事など多くの項目を管理しますが、大体の現場では紙に記入です。それだけならまだしも、なんと同じ内容を二回以上書くケースがあります


これは介護保険適用のためで、システムにもう一度入力してデータ化する必要があります。この転機作業の負担は大きく、休み時間や業後にまで及ぶことも少なくありません。

お客様の悩みはまさにこれでした。本当は触れ合いを増やし、入居者の満足度と従業員のやり甲斐を高めたい。しかし、現実は報告の二重作業に圧迫され、十分な時間を取ることができません

「IT苦手!」な人も迷わない日報

そこで導入したのが、krewSheetベースのkintoneでした。これはITに不慣れな職員でも、簡単に使えることを目指したからです。

ここには大きく2つの工夫があります。

画面遷移を減らす

まず、目指したのは出来る限り画面遷移を無くすことでした

ITに不慣れな人は、画面遷移が多いと混乱します。kintoneは編集するために画面遷移が必要ですが、krewSheetは遷移せず直接編集ができます。これは職員のハードルを大きく下げました。


タッチモニターでこの画面を操作します


背景色も大事なポイントで、体温が高いと背景が自動的に赤くなります。これは体温によってお風呂に入れない場合があるからです。色が付いていれば、一目で分かりますね。

タッチ画面PCで直感操作

加えて導入した端末も注目です。kintoneと併せて導入したのが、タッチ画面のノートPCでした。

入力したい場所を画面タッチで選べるので、直感的な操作ができます。更にUSBでテンキーも付けて、入力のし易さを追求しています。このノートPCはカートで持ち運ぶ運用です。これは素敵な運用!


カートを使ったイメージ


新規登録をさせない運用

この日報、シンプル化の工夫はまだまだあります。次に目指したのは、現場に新規登録させない運用でした。

新規登録は作業が多くなりがちです。例えば、作成ボタンを押しますし、入居者のルックアップも必要です。現場が悩まないためにも、操作はできる限りシンプルにしたいものです。

無料プラグインで運用をシンプルに

新規登録が大変なら、登録されたデータを編集させる運用はどうでしょうか。

「一覧レコード集計/コピープラグイン」を使えばその運用が可能です。これはアプリの一覧データを丸ごとコピーできるプラグインで、TiS社が無料で提供しています。


報告アプリの取得ボタンを押すと


入居者マスタからデータを取得して


今日見るべき入居者の一覧が出来上がり!


このボタンが押されるのは1日1回だけ。施設長が毎朝、入居者マスタから今日の入居者一覧をコピーします。あとは職員がそのデータに報告を追記するだけ。

入居状況も前日に変わることがあるようです。毎朝の最新データを、簡単に一括コピーできるこのプラグインはとても重宝されています。

コピーができるのは施設長だけ

「一覧レコード集計/コピープラグイン」は権限管理の機能も搭載!ボタンを操作できる人/組織/グループの指定が可能です。

プラグインの設定画面がコチラ。今回は利用しませんが、上書き機能や、数値の集計機能まで搭載しています。べ、便利すぎる!


これなら現場職員が誤って操作する心配もありません。管理者としても安心ですね。

動画を用意しました

実際の動きのイメージのご参考になれば幸いです^^

運用編の後半に続く

以上、まずはプラグインを使ったアプリ構成のご紹介でした。

しかし、まだこの話は終わりません。さすが矢内さん、運用面のノウハウがまだまだあります。

ということで、このお話は後半の運用編に続きます。後半は現場が迷わない導線作りの工夫をご紹介します^^



※この記事は、紹介したプラグインを組合せた動作を保証するものではありません。  記事公開時点では動作を確認していますが、今後のアップデートでは動作しなくなる可能性もあります。 ※無償のプラグインは、有償のものに比べて提供者のサポートが受けられなくなるリスクがあります。